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かんらくです。

出版業界の有志が集まる、あるクローズドの勉強会で、インタビュー術のノウハウを聞きました。
女性月刊誌の編集部で14年間、活躍したライター兼編集者の女性です。

今回は、少し前のことですが、クルム伊達公子さんの取材を通して、教えてもらいました。

とてもためになったので、その極意を、自分なりに5つにまとめてみました。

誰かに取材、インタビューをする機会のある人は、参考にしてみてください。

1 取材相手に、企画の目的、ねらい、意義を明確に伝える

何のための記事なのか、どういう意義があるのかをハッキリ伝える。そうすると、質問に対して、自然とその趣旨に沿った回答になる。

(企画意図 伊達公子さんの場合)伊達公子という人は、今の時代の希望の光。復活力、再生力という、人間にとって、そして現在、もっとも必要である力を持っていて、かつ、成功しているから。

伊達さんの体験してきたことは、多くの人々に勇気ややる気を与えて、触発するもの。
「もう一度、やってみよう」「やり直してみよう」
そういう、勇気と元気を人々に与えたい。

上記の趣旨を事務所に行って、熱く語ったところ、はじめは、もうすでに本を出版しているからと、乗り気でなかった人たちが、いつの間にか、「じゃあ、やりましょう」と言って、取材の段取りを組み始められた。

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2 取材は本人よりも、周辺の人にしたほうが、より本人像が浮かび上がる。

伊達さんは、試合につぐ試合で、ほとんど時間がとれない。最終的に本人へのインタビューは、1回2時間で、3回だけ。

では、どうすればいいか。
取材対象者を夫、友人、コーチ、ヘアメイク、スタイリスト、カメラマン、マネージャー、親族などへ。

本人に聞くよりも、かえって、本人のことを知っていることが往々にしてある。
たとえば、女優の取材で、「美しさを保つ秘訣はなんですか?」と聞いても、ほとんど「何もしてないわよ」という答えがかえってくる。

まわりの人に聞いてみると、毎朝、10キロ走ってるわよ、とか、食事に気をつけてるよ、とか、貴重な情報が得られる。本人は当たり前のことと思っているから、直接聞いても、出てこないことが多い。

3 実際に試合を見に行って、ファンにインタビュー

さらに、本人への取材不足をカバーするために、試合を見に行って、観戦しているファンに、伊達さんの魅力を聞く。それを、本人にも伝えると、本人も喜ぶ。

また、ほかの取材に便乗する。WOWOW取材クルーに頼み込んで、紛れたり、NHK取材に同席したり、記者会見に出没したりする。

4 取材相手、事務所、家族、読者、皆がよかったと喜べる記事を書く。

伊達さんの夫や両親、スタッフに対する思いを聞き、相手に伝え、逆にそれらの人の伊達さんに対する思いを聞き伊達さんに伝える。そうするとお互いに、「そんなふうに思ってくれていたんだ」とふだん、面と向かっては言えない気持ちが、伝わり、お互いに感謝、喜びの気持ちがわく。伊達さんも、こんなに多くの人に自分は支えられていたんだと気づくことができ、喜ばれた。さらに頑張れる。

記事を通して、「取材されてよかった」「改めて自分のことがわかった」と、書かれた人も、周りの人も、皆が喜べるようになることをいつも考えている。

5 必ずしも本人の言葉通りには書かない

本人の言葉を、こちらで推測し、作ることがある。
必ず、これでいいですか、と確認するので、本人がOKを出せば、本人のコメントにして全く問題ない。

本人は自分の気持ちを必ずしも的確に表現できるとは限らない。聞いた情報から、本人は、こういうことを言いたいんだろうと、作りなおして、確認すると、ほとんどの場合、「そういうことが言いたかった」とかえって喜ばれる。

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以上が5項目ですが、インタビュー術は、会話術や聞く力をつけるのにも応用できるので、身につけて損はないスキルだと思います。

 

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