こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。
80年代の傑作、ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)を見ました。
今回は、ストーリーには触れずに、折り紙の謎、そして、永遠の謎であるハリソン・フォード演じるデッカードが、人間かレプリカントか問題にフォーカスしたいと思います。
1982年公開の作品では、象徴的に折り紙が登場するシーンが3箇所あります。
折紙① にわとりの意味
1つ目はこれ。
ブレードランナーを引退したデッカードが、元上司のブライアンから、レプリカント始末の依頼を受けた際、それを断った時、そばにいたガフが折りました。
これは、ニワトリ、つまりチキン(臆病者)という揶揄です。
折紙② 人間の意味
2つ目はこれ。
デッカードが、レプリカントであるレイチェルに惹かれ始めていることを、ガフが、からかっているのです。
デッカードのことを折り紙で折ってあるのですが、欲情していることを表しています。
折紙③ ユニコーンの意味
3つ目が、映画の核心をつく、この折り紙。
ユニコーンです。
なぜユニコーンなのか。
物語の中盤、何の脈絡もなく、デッカードがユニコーンの夢を見るシーンが出てきます。
え? コレ、何のシーン???と、皆、頭をひねる場面です。
そうしたらラストシーンで、ガフがこの折り紙を残していくのです。
まるで、デッカードがユニコーンの夢を見たことを知っているぞ、と言わんばかりです。
つまり、
「あなたが見た夢を私は知っている。なぜなら、あなたの記憶や夢は、他人のものを人工的に植え付けられたものだからだ」
というメッセージと理解できるわけです。
だから、「レプリカントを退治しているあなた自身も、実はレプリカントなんですよ」
という意味合いになると、多くのファンの間で推測されてきました。
私も、それが正解だと思っていました。
しかし、確証があるわけではないので、
このデッカードのレプリカント問題は、ずっと議論され続けてきました。
名作の条件は謎があること
永遠の名作たる所以は、答えが出ず、謎が議論され続けるところにあると思っています。
例えば、
「モナリザ」はなぜ、微笑んでいるのか。
「氷の微笑」で、結局シャロン・ストーンは犯人だったのかどうか。
「2001年宇宙の旅」で、なぜ、猿が投げた動物の骨が宇宙船に変わったのか。
これらは、どれも名作ですが、共通しているのは、ずっと議論が続いている点です。
もっとも、シャロン・ストーンが犯人であることは、監督がインタビューで半分キレ気味で、確言していますし、「2001年宇宙の旅」のすべての謎は、映画評論家・町山智浩氏によって、すべて解明されているんですけどね。
町山氏の謎解きは、こちらの記事に書きました。
いずれにしろ、デッカードの問題は、解決を見ていないので、ファンの間で議論され続け、昨年、この続編が上映されたわけです。
そう、「ブレードランナー2049」です。
デッカードは人間か、レプリカントか。最終解答
ところが、その人間か、レプリカント問題。
実はその議論はまったく無意味だと知ったら驚くでしょうか。
なぜそう言えるのかというと、実は、作品を作った監督と、シナリオを書いた脚本家で意見が分かれているからです。
もっというと、ハリソン・フォード本人も、監督と意見が違うのです。
それは、こちらの記事で明かされています。
衝撃ですよ。
これを読んだうえで、映画を見ると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。