こんにちは、年間100本超えの映画好き・かんらくです。
昨日、会社の仲間2人と新宿バルト9で、ストップモーションアニメ映画「KUBO/クボ 二本の弦の秘密(字幕版)」を観てきました!
とてもいい映画だったので、そのレビューをつづりたいと思います。
満足度は★★★です。
ロードショー最終日の最終回でした!
そのせいか、22:05〜24:00という下手すると終電を逃しかねない時間帯でありながら、半分以上は席が埋まっている印象でした。
目次
初めての新宿バルト9
新宿バルト9は初めてでしたが、平日の夜なのに、若い女性を中心に、かなり賑わっていました。
地元のイオンの中の映画館とはだいぶ違いましたね。
新宿駅のC1出口から出ると、もう目の前にそびえるイーストビルがそこです。
ビルの9階〜13階にスクリーンが9つある、何と「日本最高層のシネコン」でした。
昭和から続いている場末の単館映画館を勝手にイメージしていたのですが、おしゃれでゴージャスでいきなり意表を突かれてしまいました。
上映前からテンションは上がりまくりです。
シアターのビジュアルだけでなく、音響も迫力があってすごくよかったです。
話題作でもない「KUBO」を知ったきっかけ
そもそも、なぜそれほど話題にもなっていないこの映画を観に行こうと思ったのかというと、
知り合いのカリスマ編集者が、絶賛していたからなんです。
「灯籠流しという日本の文化をアメリカ人が見事に理解し、描き切っている」と。
調べてみるとアカデミー賞2部門にノミネートされているんですね。
これは観に行くしかないと上映館を検索した結果、残りが1館で上映最終日の最終回になってしまったということなんです。
不思議な物語
なんとも不思議な物語で、舞台も昔の日本のどこかの村なのでしょうが、ちょっとした桃源郷のようです。
ただただ華麗で幻想的な、日本絵巻のような映像美に、息をのむしかありません。
ストーリーは説明が難しいので、公式サイトから引用させてもらいます。
三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。
幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。
追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。
やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。
一番心をつかまれたのは、少年のキャラクター
私が一番心をつかまれたのは、なんといっても、少年「クボ」のキャラクターです。
不思議な力を持ち、純粋で、母親思いなんです。
ビジュアルも細い目がクールな印象なんですが、それがなんとも魅力的なんですよね。
海辺の岩穴のようなところで、心が壊れかけた母親を看病しているんですが、
甲斐甲斐しく食事を口に運んで食べさせてやるシーンなんか、心をわしづかみにされました。
私にとってはある意味、ここが最大の必見ポイントだったかもしれません。
テーマは家族愛
あまりに不思議な世界観なので、この映画は最後まで見ても、狐につままれたような感覚のまま終わるのではないかと感じていました。
それはそれで1つの作品かなと思っていましたが、最後まで見ると、きちんとすべての謎が解けて、スッキリするようになっています。
三味線の二本の弦の秘密もエンドロールまで見ると、明かされるんです。
この映画のテーマはズバリ家族愛だと思います。
エンドロールも実にこだわっていて、日本情緒をラストまで堪能させてくれる心憎い演出でした。
これはアメリカ人が日本の心を描き切った、日本人こそ観るべき傑作だと思います。
主人公の名前が「KUBO」である理由
最後に、この映画を観た人が共通して必ず抱く思いに触れておきます。
それは「なんで主人公の名前がクボなの?」というものです(笑)。アキラでもケンジでもなく。
「それ苗字やん!」と誰もが思うでしょう。
母親から、「クボ」「クボ」と連呼される音感はどうにも日本人には違和感があります。
我が子を苗字で呼んでいるような気がしてしまうからです。
誰か日本人スタッフが名前を変えるように進言しなかったんだろうかと思ってしまいます。
「ボク」を反対にした?
ネットで調べてみると、「ボク」を反対にしたのでは?といった憶測も飛び交っていましたが、
来日した製作スタッフが、ハッキリとインタビューでその疑問に答えていました。
記事の該当部分を引用したいと思います。
試写会の舞台挨拶で、アニメスタッフへの質疑応答がなされている場面です。
この日は観衆によるQ&Aも実施され本名が“クボ”と名乗る観衆が
「なぜクボという名前に? 日本ではそれほど一般的な名前ではないが」
とたずねられ、笑いが起こる中、シフ氏は、当初この作品のコンセプト企画を発案したキャラクターデザイナーの、日本人の友人に小さいころからつけられていたニックネームがクボだったことから、とその経緯を告白。
また併せて、主人公クボが折り紙を使うコンセプトに関しても、そもそもこの企画を持ってきたキャラクターデザイナーがプレゼンしたストーリーの中で、折り紙というアイデアはあったことを明かした。
アニメーターのニックネームだったのですね。
この違和感を差し引いても、十二分に1,800円を出して惜しくない傑作映画でした。
観てよかった度は、★★★★☆星4つです。
残念ながらロードショーは終了してしまったので、DVD化を楽しみにしていてください。
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