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こんにちは、かんらくです。

都内の小さな出版社で編集者をしています。

以前に、7年ほど、歴史人物たちの、ちょっといいエピソードを集める仕事を集中的にしていました。

集めた話題の中には、本に掲載されたものもあれば、お蔵入りになった話もたくさんあります。

それをひとつずつ紹介したいと思います。

この記事の目的は歴史の解説ではありません。

教訓になるエピソードをたくさん知っていれば、

いろいろな人生の岐路に立たされた時、正しい選択をするものさしになる、というねらいです。

ですから、そのエピソードが史実かどうかにはこだわっていません。

中には言い伝えだけで、歴史資料には根拠がない、エピソードも拾っています。

生きるプラスになればOKというスタンスです。

朝礼やお祝いなどのスピーチに使っていただければうれしいです。

第1回は、武田信玄のちょっといい話を紹介します。

 

武田信玄の勉強法

1日にひとつ学べば1年で365も身に付くという信玄流の勉強法です。

武田信玄は、言わずもがなの戦国武将です。

上杉謙信や織田信長と覇権を争った甲斐(山梨県)の英雄です。

 

信玄は、縁に触れ、折に触れ、家臣にこのように言って学問することの大切さを語っていました。

「人を木に例えるならば、学問は、その枝葉にあたる。枝葉がよく茂った立派な木になるためには、大いに学問しなければならない」

大雑把なイメージで、戦国武将は学問より武芸を重んじていたように思いますが、信玄は知も重んじていたんですね。

「では、どんな心構えで学べばいいですか?」と尋ねると、信玄はこう答えたそうです。

 

なにも書物を読むだけが学問ではない

「なにも書物を読むことだけが学問ではない。それぞれの道を究めることを学問という。自分より優れている人に近づき、話を聞くのもよい。

 1日に、最低一つは学ぶように心がけなさい。そうすれば、1ヶ月で30カ条学んだことになる。一年たてば360余りも身についたことになる。去年の自分よりも、今年の自分のほうが、はるかに向上しているはずだ。頭を下げて、人の良いところを学び取るのは、少しも恥ずかしいことではない」

花も実もある実用的なアドバイスですね。

1日12時間、睡眠時間を削って勉強せよ、と実践不可能なことを言われたら、やる気をなくしますが、1日1つでいい、という凡人でも「これならできそう」と思える絶妙なアドバイスです。人間の心理を熟知している感じがします。

しかも、書物を読むことだけが学問ではない、と勉強の固定観念を、スパッと破っていますね。

机の前で座っている時だけが勉強ではないんです。

電車の中吊り広告を見ても勉強になりますし、カフェで隣でしゃべっているビジネスマンの会話も意識ひとつで学びがあったりしますよね。

ですから、自分の問題意識次第で、学びのない日なんてないんです。

そして、何より大切なことは、小さな努力を継続し、積み重ねていくこと。

1日1つ深く学べば、1年で365も身に付く。

ぼーっと生きていても、1年は容赦無く過ぎていきます。

1年があっという間に過ぎる事実は変わらないですが、1日1つでも学び、積み重ねていけば、生きた証を残すことができますね。

 

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【参考書籍】

木村耕一著『こころの道』

有吉末吉編『新装版 教訓例話辞典』

 

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