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かんらくです。

半沢直樹シリーズの第三作『ロスジェネの逆襲』を、久々に読み直しました。シリーズの中では、一番のお気に入りで、読み直すのは4回目です。

とにかく痛快です。あの伝説のドラマ「半沢直樹」が大ブレークしたのも、もう4年前なんですね。

『ロスジェネの逆襲』は、まだドラマ化されていませんが、強烈な個性の半沢を通して、池井戸潤さんが伝えたかったメッセージは、この1冊にいちばん凝縮されているのではないかと思います。

半沢直樹の名言集

半沢の男気あふれるセリフをまとめました。

まず、出向先の東京セントラル証券の部下・森山に、半沢が自分の信念を吐露する場面です。

出向元の東京中央銀行に、真向から戦いを挑む半沢に森山が、
「そんなことをして、将来、銀行に戻りにくくなりませんか」
と心配すると、こう答えるんです。

「オレが考えるべきことは東京セントラル証券の利益をどう上げるか、ということだけだ。戻るとか、戻らないとか、そんなつまらんことは人事部が判断すればいい。与えられた仕事に全力を尽くす。それがサラリーマンだろ。なにかヘンか?」

さらに、続けて、こうも。

「銀行に戻ったほうがいいなんてのは錯覚なんだよ」

「サラリーマンは――いや、サラリーマンだけじゃなくて全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。会社の大小なんて関係がない。知名度も。オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中味だ」

そして、物語終盤で、「組織が腐敗していくのはなぜか」と問う森山に、半沢は、こう言い切るんです。

「自分のために仕事をしているからだ」

「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る」

これが、半沢直樹の「仕事の流儀」ではないでしょうか。「仕事は客のためにする」。彼が、組織にギリギリの戦いを挑み続ける理由は、ここにあったのですね。

池井戸さんは、実にこれを伝えたくて、この物語をつむぎ出したのではないかとさえ思えてきます。

池井戸作品は、小説でありながら、働き方のビジネス書ともいえそうです。

 

 

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