こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。
仕事でお世話になっている方のお誘いで、東京ドーム隣接の文京シビックホールで開催された佐渡太鼓の演奏を聞いてきました。
鼓童「巡るーMEGURUー」〜魂を、聞け
という公演です。
予備知識はゼロで、チケット代7000円だったので、一体、どんな演奏なのか、期待と不安相半ばの心境で、開演を待っていました。
幕が上がった瞬間のぼんやりとしたシルエットに、完全に虚を衝かれ、心を持っていかれました。
太鼓で始まるのかと思ったら、最初に響いてきたのは、木琴と小川のせせらぎのような(楽器は不明)音だったのです。
率直な感想は、「極上のエンターテイメント」。
公演が終わったあとの率直な感想は、ただの古典芸能ではなく、現代アートの精神と融合した極上のエンターテイメントだった、です。
ひたすら太鼓の演奏が続くのかと思ったら、木琴あり、横笛あり、名前の分からないエスニックな楽器の演奏あり、で森羅万象を表現していました。
一曲、一曲、独立しているわけでなく、全10曲で、ストーリーを綴っているのだと思います。
おそらく、最後に、特大な太鼓が中央に設置され、薄闇の中に、黄色く浮かび上がらせていたのは、「月」か「太陽」を表現しているのだろうと感じ取りました。
単純な和でもない、洋でもない、なんとも表現できない世界観があるな〜というのが実感です。
バチさばきのスピード
太鼓を叩いたことがないので、はっきりとは分かりませんが、バチのスピードが凄まじかったです。
肉眼では、見えないスピードでした。
中でも目を引いたのは、女性の方でした。
パンフレットを見ると、米山水木さんという方のようです。
太鼓の両側を左手のバチで交互に叩くのですが、すさまじかったです。
右手は右手で叩いているのです。
まるでブルース・リーのヌンチャクさばきのようでした。
全身を使ったパフォーマンスは、カンフーか、空手の演武のようです。
相当、筋肉を使うのだと思います。
男性は上半身裸でしたが、筋肉がすごい!
ビルダーさながらです。
汗にスポットライトが当たり、光が跳ね返り、演出効果を高めていました。
あまりの圧巻のパフォーマンスのため、思わず曲の途中で拍手をしている人が、けっこういました。
パンフレットの記述
配布された資料は、ほかにこんなものがあります。
配布されたパンフレットには、このように書かれていました。
本公演は、「巡」という言葉をテーマに据え、「景色が見える音作り」を大切にしながら、全編新曲で構成した舞台となっております。
森羅万象、巡らないものはありません。
太陽と月、水や命など、循環しないものはありません。
始まったものはやがて終わり、また始まる。時空を超えて、何度も何度も。
それは魂や人々の思いのような、精神的なものにまで至ります。
(中略)
魂の声を聞きたい。
その衝動こそ、巡り巡ってきた一つの物語であり、この作品を通して、私が表現したいものでもあります。
演出:住吉佑太
なるほど、たしかに、月や太陽が見え、水の流れを感じました。
会場の様子。目立つ外国人。
1800人の大ホールが、見た目、ほぼ満席でした。
特徴的なのは外国人の姿が目立ったことです。
欧米圏、きっとアジア圏の人もあったのでしょう。
青い目をした男性が休憩時間に、「これは素晴らしいよ! これはすらばらしいよ!」を日本語で連発していました。
一度、魂の鼓動に耳を傾けてもいいかもしれません。
7000円のチケットは、決して高いとは思いませんでした。