こんにちは、出版社のかんらくです。
映画「キングダム」をTOHOシネマで、観てきました。
結論から言って、文句なしの満足度★★★★★星5つです。
この2、3年で、一番、満足しました。
観るかどうか迷っている人は参考にしてみてください。
何しろ、エンドロールが流れるまで、一度も時間が気になりませんでしたから。
どんなにいい映画でも、後半、一度くらいは、ちょっと飽きて、時間が気になるタイミングがあるのがふつうです。
原作を見た人と見てない人で、評価が真っ二つ
ネットのレビューを見ると、たまに酷評している人がありますが、そういう人にほぼ共通しているのが、原作を見たことがない、ということです。
たしかに、やたらと大声を出す信のバカっぽさ、王騎将軍の独特なしゃべり方に、原作を知らない人はドン引きしてしまう可能性があるなと感じながら見ていました。
しかし、漫画を読んだ、もしくはNHK製作のアニメを見たことがあれば、原作の世界観を壊さずに実写化に成功していることに、感動することでしょう。
大げさな演出とアクションに、リアリティがないという声も散見されますが、「キングダム」はノンフィクションでもドキュメンタリーでもありません。
完全なるエンターテイメントなのです。
真の王者が、奪われた王座を奪還するという、ド定番中のど定番、エンタメ映画です。
「何か違う」と感じた人は、おそらく、映画「キングダム」に求めるものを間違えたのでしょう。
製作者の意図と違うものを求めれば、それは仕方がないことです。
私がこの映画を見て、満足したポイントは、3つです。
シナリオ、映像、キャラクター。この3つが見事にそろった傑作でした。
①シナリオ
まずは何と言っても、映画はシナリオ、脚本がいちばんです。
史実がベースとはいえ、真の王者が弟に奪われた王座を奪還するという、エンタメの王道中の王道。
インド映画の傑作、「バーフバリ」を思い出しました。
個人的には、バーフバリよりも、満足度は高かったと言っても過言ではありません。
王宮を弟とそのシンパの軍に占拠され、絶体絶命の境遇に追い詰められた秦王が、起死回生の秘策により、形勢を逆転させるのです。
これが面白くないはずがありません。
なんと言っても、原作の強さでしょう。
②映像美と最新技術
中華が舞台ですから、自然と王宮の映像美、迫力がすごいです。
美しいと言えば、信と漂が、奴隷の身であった時、月夜の丘で、剣の訓練をしているシーンが、最高でした。
VFXを駆使した映像が見事です。
③登場人物のキャラクター(演技)
登場人物のキャラが、違和感なく発揮されています。
特筆すべきは、信(山崎賢人)、嬴政(吉沢亮)、楊端和(長澤まさみ)、河了貂(橋本環奈)、王騎将軍(大沢たかお)の5人です。
これらの強烈キャラが、見事に演じきられています。
いずれもこの濃いキャラ達に、存在感が負けていません。
中でも、王騎将軍ですね。
大沢たかおに、そんな豪傑のイメージはありませんでしたが、この役のために15キロ増量したといいますから、プロ根性にうなるばかりです。
しかも、よくあんなキワモノでありながら、人気者のキャラを演じきったなと思います。
あの表情、しゃべり方は、一歩間違えるとただ気持ち悪いだけですからね。
やみつきになるすごい演技でした。
今回の映画の成功したポイントは、躊躇なく、原作コミックとアニメに寄せるという方針に割り切ったことだと思います。
中途半端に、映画ならではの芸術性や、解釈、メッセージなど、込めていません。
なので、原作のコミカルな要素もしっかりと反映されていてよいです。
最大の泣けるポイントは
さて、最大の泣けるポイントは、漂が王宮から脱出するシーンです。
成蟜(せいきょう)のクーデターが勃発し、昌文君が秦王の替え玉の漂とともに、王宮を脱出。
ところが、まさかの王騎軍の出現により、兵士たちが、希望の糸が切れかけた時、漂が闇を切り裂くように、剣を掲げ、一軍を鼓舞するシーンです。
死にかけた一隊が、再び息を吹き返した瞬間です。
これは泣けますよ。
とにかく、文句なしのエンタメ作品
とにかく痛快。
見終わったあとの圧倒的な満足感。
これは映画館で見るべき映画と断言します。
ストーリーは、玉座を奪還するところまで。
しっかり完結しながら、しかし、続編がありそう、という最高の終わり方です。
文句なしの痛快エンターテイメントですよ。