こんにちは、かんらく(@kan_raku44)です。
都内の出版社に勤務して、15年が経ちました。
「本が売れなくなった」といわれるようになって久しいですが、それでも出版社で働きたいという人は多いようです。
そこで、出版社とは、どういうところなのか、どうすれば出版に関わる仕事ができるのか、私の経験と他社の友人から聞いた話を書きたいと思います。
ですので、この記事は、次のような人に読んでもらいたいと思っています。
●出版業界で仕事をしたいと思っている人
●広告、マスコミ業界で仕事をしたいと思っている人
最後に、「出版社はこんな人を採りたいと思っている」ということも書いてあります。
出版業界の現在
まず、出版業界の現状をお話しします。そのうえで、就職もしくは転職について考えてみてください。
何かと華やかなイメージのある業界ですが、出版物の売上は1996年をピークに下降線をたどっています。そのため、久しく出版不況といわれるようになりました。
雑誌の売上は落ち込んでいる
書籍は横ばいか、ゆるやかな下降を続けていますが、落ち込みが特に厳しいのは雑誌です。
廃刊になる雑誌はあとを絶ちません。
最近は、電車でも、カフェでも、雑誌を読んでいる人の姿を本当に見かけなくなりましたね。
およその情報はスマートフォンで、無料で得ることができるようになったのが大きいです。
電子書籍の影響ではない
本が売れなくなったのは、電子書籍の影響と言う人もありますが、そんなことはありません。
本を読んでいた時間が、スマホに移行してしまったことが最大の原因です。少なくとも出版関係者の多くはそう思っています。
スマホで電子書籍を読むなら出版社は潤うのですが、そうではなく、ゲーム、SNS、ネットサーフィンの利用がほとんどなのだと思います。
書店は減少の一途
時々テレビでも特集されますが、書店の減少は止まらず、10年前には16,000軒は超えていたといわれる店舗数が、今では10,000軒を切ったともいわれます。
そして出版社数も2006年には4,000社を超えていたのが、一昨年には3,500社を下回りました。
まずは、そういう現在の出版業界を正しく知ったうえで、それでも働きたいと思う人は、ぜひチャレンジしてみてください。
それでもやりがいがある業界
私自身は、それでも出版業界やマスコミ業界は、とてもやりがいがあると思っています。
創造的な仕事で、世の中に積極的にメッセージを発信できるからです。
自分自身もそうですが、1冊の本との出会いで一人の人生がガラリと変わることさえあります。
そんな商品を届けられる出版の仕事はやっぱり、やりがいがあります。
出版社の編集という仕事
出版社を志望する人は、編集部を希望している人が多いと思います。
私も初めは、編集部に在籍し、やがて営業部に移りました。それぞれに独特の文化と面白さがあります。
両方やりたい、というのが正直な気持ちです。
はじめは希望部署と違っても、営業・編集部間の異動はよくあることなので、まずは出版社に飛び込んでみるという方法もいいと思います。
編集といっても書籍と雑誌がある
編集にも書籍編集と雑誌編集があります。
出版社はコンテンツ産業なので、どちらにしても企画が命です。
ですから、営業部よりも編集部に人数を投入するところがほとんどです。
編集部の醍醐味
編集部の醍醐味は、自分の趣味や知識、プライべートがそのまま仕事に生かされる点です。
生活がそのまま企画のヒントになります。
プレッシャーは大きい
逆にいえば厳しいのは、24時間、企画を考えていなければならないということです。そこに会社の浮沈がかかっているからです。
アイディアが浮かぶ時はいいですが、行き詰まった時の苦しみは袋小路に迷い込んだようです。
そのプレッシャーは覚悟しなければなりません。
出版社によって得意なジャンルが違う
ちなみにあらゆるジャンルの出版をしている総合出版社もありますが、特定のジャンルに特化している版元もあります。
たとえば、児童書専門だったり、医学書理工書などの人文書に強かったりということがあります。
自分が好きな本の出版社を確認してみるとよい
自分の好きな本を出している出版社が何という名前の会社なのか、確認してみてください。
本を裏返すと裏表紙に書いてありますし、最後のページの奥付に書いてあることもあります。
出版社間の転職はよくあること
出版社間の転職もよくありますので、まず縁のあった会社に入社してから、より自分に合った版元(出版社のこと)に移ることも可能です。
編集部の人づきあい
編集部は企画の守秘性からか、他社の編集部員と交流するということはあまりありません。
接触があるのは、著者や外注する場合の編集プロダクション、印刷業者が主です。
有志の勉強会
とはいえ、出版社を超えて有志が集まって開かれる勉強会も、いくつかあります。
私も「アメリカ出版研究会」というクローズドの勉強会に参加していましたが、その雰囲気は文化的かつ知的で、これぞ出版業界の空気だなと感じました。
雑誌編集部ならば取材対象との接触がありますから、より他業種の人と付き合いがあるようです。
出版社の営業という仕事
出版社の営業相手は、取次(トーハン、日販など)と書店です。毎日のように、書店に行くので、本屋さんが好き、という人は、楽しいと思います。
営業部員は、会社を超えて結びつきが強い
営業部は編集部と違って、書店員さんを囲んで共同で飲み会を開くことが多いので、会社を超えて交流があります。
書店さんからよく、「出版社の営業の方同士って、仲がいいですよね」といわれます。
たしかに、ライバル他社とも仲がいいというちょっと不思議な業界かもしれません。
ノリはやや体育会系
編集部に比べると、ノリはどちらかというと体育会系です。
夜の接待は、日常的にありますが、それでも編集に比べたら、オンとオフがハッキリしているという特徴があります。
出版社へ就職・転職するルート
では、どうすれば出版社に就職できるのでしょうか。出版社やマスコミは狭き門で、応募してもほとんど通らないと、よく聞きます。
求人自体が減っている
たしかに、わが社もそうですが、他社の知り合いに聞いても、求人自体がそもそも、少なくなっているようです。
大手はそれなりに新卒採用の枠もありますから、そこで入れればいいですが、現実は厳しいでしょう。
即戦力を求められる傾向
即戦力が求められる傾向もあると思います。
他社も含め、周りを眺めてみると、だいたい次のようなルートで、入社しています。
●新卒一般採用
●学生時代に出版社でアルバイトをして、そのツテで就職
●書店員として出版社の営業と仲良くなり、そのツテで転職
●他業種からの転職(転職サービスによる紹介)
ツテがあれば話は早いですが、ない人がほとんどだと思います。だからといってあきらめる必要はありません。
出版、マスコミ、広告業界に特に強い就職・転職支援サービスを利用するという方法があります。
転職支援サービスを活用する方法
転職サイトにもいろいろありますが、それぞれに強い業種があります。
出版社やマスコミ業界に就職したいならば、その業界に強い就職・転職支援サービスを利用したほうが早いです。
それが、【マスメディアン】の転職支援サービスです。
業界の転職・就職の支援実績はトップクラス
マスメディアンは、「宣伝会議」「編集会議」などのクリエイティブ・マーケティング関連の専門誌を60年以上、発行している宣伝会議のグループ会社です。
出版・広告・Web・マスコミの分野では、ナンバーワン・クラスの転職・就職の支援実績があります。
非公開求人の案件も多い
他のエージェントにはないような、非公開求人の案件が多いのも特徴です。
専門分野ですから当然といえば当然かもしれません。
私も、編集部時代に同社発行の「編集会議」を購読し、大変、お世話になりました。
その誌面をみても、誠実な仕事をしていることは、伝わってきます。
求人サイトとどこが違うのか?
求人サイトは、自分で求人を探し、応募手続きや企業とのやり取りを直接行います。
【マスメディアン】の転職支援サービスでは、キャリアコンサルタントが相談者の転職活動をバックアップしてくれます。
エージェントに間に入ってもらった方が交渉はスムーズ
イチロー選手をはじめ、メジャーリーガーはよくエージェントが、球団と交渉しますよね。
直接、自分で交渉するより、エージェントに仲介してもらったほうが交渉がスムーズですし、第三者の目で企業を評価してもらうこともできるので安心です。
個別の無料相談
個別相談会など、サービスはすべて完全無料です。履歴書、職務経歴書などの書類なしで気軽に参加してもOKです。
そもそも自分に向いているかも含めて、そこで感触をつかめばいいのです。
個別相談会のほか、スキルアップのセミナーも無料で受講できるので、それを生かさない手はありません。
登録に年齢制限はありません。まずは1歩、サービスに登録するところから始めてみましょう。
↓ ↓ ↓
※学生さん向けには、上のマスメディアンのサイトの中にある「マスナビ」を利用してみてください。
トップページを一番下までスワイプ(スマホの場合)すると、「学生の方 マスナビ」というピンクのボタン(下の写真参照)がありますので、タップしてみてください。
出版社は、「こんな人を採りたい」と思っている
先日、お世話になっている他社の出版社の役員の方と一緒に飲んでいた時に、「今、中途採用を募集していて、応募が300人くらい来ている」という話になりました。
DVDも製作し、書籍も雑誌も出されている出版社です。
その方は、3社の出版社を渡り歩き、編集も営業も経験されたベテラン中のベテランです。
営業、営業事務、編集をそれぞれ1名ずつ募集されたそうですが、営業と営業事務に各100名、編集に200名、応募があったそうです。
「書類選考と面接が大変だ」と言われていたので、「面接で、いちばん重視するのは何ですか?」とお聞きしました。
すると、「人柄ですね」と即答されました。「やっぱりそうか」と思いましたね。全く同感だったからです。
たしかに、経験や実績があって、即戦力になるに越したことはないのですが、いちばん見るのはやっぱり人柄であり、人間性なんですよね。
コミュニケーション能力といってもいいと思います。
営業でも編集でも、素直で気持ちのいいコミュニケーションを取れる人は、必ず伸びるんです。
会社側は、そういう人を取りたいと思っていることも知っておいたらいいと思います。