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こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。

昔話やおとぎ話の謎解きをする本って、時々、大ベストセラーを生み出します。

浦島太郎の解説をしている本もいくつかあるのですが、それらを読んでみても、どうもラストの落ちがスッキリ納得できないんですよね。

今回、ちょっと、その謎解きをしてみました。

 

浦島太郎を読み終わったあとのモヤモヤ感

浦島太郎のストーリーは、皆知っているので、振り返るまでもないと思います。

あまりに有名なおとぎ話ですが、なぜか読み終わったあとに、モヤモヤ感が残るんですよね。

日本人の多くが抱き続けている、共通の感覚ではないでしょうか。

それは、亀を助けたのに、なぜ最後に浦島太郎は、ひとりぼっちのお爺さんになるという仕打ちを受けたのかということです。

 

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いったい、この物語の教訓は何なのでしょうか。

ハッピーエンドなら、親から「だからおまえも、浦島太郎のように動物をかわいがるやさしい人間になるんだよ」と諭されて、筋は通りますが、およそハッピーな結末ではありません。

「動物をかわいがりましょう」、と言われたって・・・。

この結末をどう受け止めていいか分からず、もやっとするのですよね。

これでは玉手箱は乙姫のトラップだったのではないかとさえ、思ってしまいます。

 

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そう考えると、乙姫様がちょっと怖く見えてきます。

 

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浦島太郎の教訓はいったい何?

では、いったい、このおとぎばなしの教訓は何だったのでしょうか。

そもそも彼は、本当に生き物をかわいがる善人だったのでしょうか。

その謎を解く鍵は、浦島太郎の職業にあります。

浦島太郎の仕事は何だったのか。

彼の持ち物をクローズアップしてみましょう。

 

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彼の肩には、釣竿がかつがれています。

そう浦島太郎は漁師だったのです。

 

 

ということは、毎日、魚を釣ることが、なりわいなのです。

生きるためとは言え、彼が命を奪ってきた魚の数は、おびただしいものでしょう。

 

浦島太郎は本当に動物をかわいがる善人だったのか

乙姫様からすれば、一匹の亀を助けたからといって、そのかげで何千、何万という仲間の命を奪った浦島太郎に、善人面をされても、たまったものではないでしょう。

心から歓待する気になどなれなかったに違いありません。

むしろ、料理に毒を盛られたなかっただけ情けをかけられたと言っていいでしょう。

 

もちろん、動物をかわいがるのが悪いと言っているのではありません。

動物をいじめるよりは、よっぽどましです。

 

ただ、浦島太郎も殺生しなくては生きてはいけないという人間存在そのものの矛盾をもっているという話です。

それは、彼個人の問題ではなく、われわれも生き物を食べなければ生きていけない宿命を持っていることからいえば同じです。

 

そう考えると、この短いおとぎ話は、人間のやる善の矛盾と限界を教えた、めちゃくちゃ深い話だということが分かります。

いったい、だれが考えたのでしょうか。

 

玉手箱の謎

さて、では最後に玉手箱を開いた浦島太郎が、たちまち老人になってしまったのは、何を表しているのでしょうか。

「飲めや歌えの仮そめの楽しみに興じている間に、一生なんてあっとういう間に過ぎ去ってしまうぞ」と、警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。

飲めや歌えが、何に当たるかは人それぞれでしょうが、思い当たることがなくはありません。

かつて、100歳まで長生きした双子の姉妹、きんさん、ぎんさんも、インタビューで100年なんてあっと言う間だったと答えていました。

「人生100年時代構想」と、うたわれたって、気がついたら40代、50代、ひいては老後になっていたというのが、多くの人の実感ではないでしょうか。

それが分かると、1日1日を大切に生きようという気持ちが起きてくるようです。

 

ちなみにこの謎解きは自分で思いついたわけではなく、知り合いから聞いた話です。

目からウロコだったので、シェアしました。

この記事でだれかのモヤモヤを解消できれば幸いです。

 

ちなみに、同じ学びを、アカデミー賞を受賞した映画「ラストエンペラー」からも得ることができます。

よかったら、こちらの記事も読んでみてください。

【ラストエンペラー】ラストシーンのコオロギの謎を解いてみた

 

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