こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。
朝のラジオ番組「森本毅郎スタンバイ」の特集がなかなか面白いです。
数日前には、雑誌「おひとりさま専用Walker 2019」の特集をしていました。
これは、KADOKAWAさんが発行している一人で過ごす人のためにつくられた情報誌ですが、異例の大ヒットとなっているそうです。
実際に企画編集している女性の方がインタビューに答えていました。
具体的には、ソロキャンプ、ソロハイク、ひとり焼肉、ひとりしゃぶしゃぶなど、ひとりで楽しむ遊び、ひとりで食べる食事、ひとりのライフスタイル全般を応援するものです。
私は、東京ウォーカーの編集もしていたのですが、自分は、そういうキラキラした毎日の生活とは無縁だなーと思っていました。
みんなで楽しむお花見、恋人とのクリスマスディナーなどですね。
そこで、「自分のための本をつくりたいなー」と思って企画しました。
これ、すごく共感しました!
だから、この企画は大成功したのか、と。
ちょっと余談ですが、ターゲットについてのオピニオン
自分のための本をつくりたい!この強烈なターゲットに向けて作られたコンテンツは、本当に強いんですよね。
映画にしても本にしても、どんな商品でもそうですが、ターゲットということをよく言われます。
ターゲットは、絞れば絞るほどコンテンツは強くなり、理想はひとりだと思っています。
それは、究極的には自分だと思っています。
その場合、その自分とは、そのジャンルについて素人であるという目線に徹してつくらないと、ただのひとりよがりの本になってしまうので注意が必要です。(マニア向けの本ならばそれでもいいのですが、一般向けに作る場合は、読者置いてきぼりの本になってしまいます)
これについては、書き始めると熱くなってしまい、完全に脱線してしまうので、後日、別の記事にしたいと思います。
「炎上する」「読者を傷つける」「孤独感をあおる」の心配は杞憂だった
いずれにしろ、発売3日後、重版がかかったそうですから、雑誌が売れないと言われている時代に大健闘です。
この編集者自身が生粋のおひとりさまなので、コンセプトの明確な、惹きつける力の強い企画になったのだと思います。
ただ、この企画、はじめは、社内では疑問視されたそうなんです。
「炎上するのではないか」「読者を傷つけるのでは」「孤独感をあおる」との心配の声があがったそうです。
その心配ももっともですが、いざ発売すると、
「おれのための本、待ってました」「すべて経験済みです」
など、共感と称賛の声が、続出しました。
今回のラインナップの例としては、ひとりカラオケ、ひとり写経体験、ひとりめし特集、ひとり寿司、ひとりスイーツなどなど。
「ひとり率◯%」というデータも載っていて、挑戦しやすさが分かるようになっています。
「12月になるとなんとなく感じる寂しさをこの本でうめていただければ」
と担当編集者は語っています。
おひとりさまは究極のぜいたく
最後に、担当編集者はこう語っていました。
おひとりさまは究極のぜいたくなライフスタイルだと思っています。
お金も時間も場所もすべて自分のために使える。
以前は、ちょっとはずかしいという考え方でした。
ひとの目が気になって、「あの人ひとりで来てるわ」と思われているのではないかと。
でも、実際に取材を始めて分かったのは、「世の中って、こんなにおひとりさまに、ウエルカムなんだな」ということです。
私が、発信することで、世の中の「おひとりさま」に対するイメージがポジティブになればいいなと思います。
世の中の価値観やライフスタイルをも変えるかもしれない、素晴らしいコンセプトの出版だと思いました。
関心のある方は、ぜひお読みください。