こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。
毎朝、「森本毅郎スタンバイ」をラジオで聞いています。
先日、面白い特集をしていましたので紹介します。
「仕掛け」によって、人の行動を操るという手法です。
メンタリストの話のようですが、そうではなく、もっと合理的な方法でした。
これは大阪大学大学院で、「仕掛け学」を研究している松村教授のメソッドです。
たとえば、こんな仕掛けです。
① 大学病院の入り口で、アルコール消毒をする人が激増
病院の入り口には、アルコール消毒のポンプが置いてありますが、それを使う人は、800人中、4、5人でした。
そこで、名作「ローマの休日」でおなじみの真実の口(ライオン)の置物を設置し、ライオンの口の中に手を入れると、消毒液が噴射されるという仕掛けをつくったのです。
すると、真実の口に手を入れる人が、400人以上に激増したといいます。
② パン屋の試食が、倍増した方法
次は、パン屋さんの話です。
パンの試食をする人が少ないので、何とか、その数を増やす方法を探っていました。
そこで前出の松村教授に相談が持ち込まれました。
教授は、試食をする人が少ないのは、試食をすると買わなきゃいけないというプレッシャーがあるからだ、と客の心理を分析しました。
そこで、試食のパンを二種類用意し、食べたあとに、美味しいと思ったほうに爪楊枝を入れるように、ケースを二つ用意しました。
すると、試食をする人が倍以上に増えたそうです。
そう、アンケートに答えるという建前によって、「買わなきゃいけない」というプレッシャーから解放されたのです。
③ タバコのポイ捨てを激減させた方法
もう一つは、たばこのポイ捨てを、激減させたメソッドです。
これも実にシンプルです。
吸い殻入れを二つ用意し、巨人ファンはこちら、阪神ファンはこちらに、と表示したら、見事に吸い殻入れに捨てるようになったそうです。
人間の心理を巧みについて、行動を操作する、これ面白いですね。
もちろん、悪用すると恐ろしいので、モラルが必要ですが。
ほかにも、病院のトイレのサンダルに、左右そろえると一続きになる絵をプリントしておくと、何も言わなくても、自然とそろえるようになった、という事例も紹介されていました。
松村教授の研究は、こちらのサイトで紹介されています。
この人の研究、本にしたら面白いな〜と思っていたら、やっぱりすでに出ていました。
『仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方』です。
関心のある方は、読んでみるといいと思います。