こんにちは、出版社営業部員のかんらくです。
脚本が評判の「ウインド・リバー(字幕版)」を観ました。
主演は、ミッション・インポッシブル4から登場するジェレミー・レナーです。
満足度は★★★星3つです。
脚本家シェリダンがいちばん伝えたかった言葉
テイラー・シェリダン脚本・監督のデビュー作です。
シェリダンは、通好みの脚本で高い評価を受けていますね。
「ボーダーライン(字幕版)」もそうです。
さて、「ウインド・リバー」で、シェリダンが登場人物にいちばん言わせたかったセリフは、
「強さと意志がものを言う。だから(君は生きて)帰ることができる」
だと思っています。
これは、ラストでジェレミーが、FBI捜査官のバナーに放ったセリフです。
これに似たセリフをジェレミーは何回か、言っています。
そして、その強さと意志を持った人物を象徴しているのが、ナタリーとジェーンの2人の女性です。
ナタリーは冒頭で、氷点下30度の雪原を10キロも裸足で走り続けた17歳の女の子です。
ジェーンは、FBIから派遣された新人捜査官です。
あらすじ
舞台は雪に閉ざされた白銀の世界、ネイティブ・アメリカンの居住区です。
ウイキペディアから、ストーリーの概略を引用しましょう。
ワイオミング州ウィンド・リバー保留地。
FWS(合衆国魚類野生生物局)の職員、コリー・ランバートは荒野のど真ん中で少女の死体を発見した。
FBIは事件の捜査のために、新人捜査官のジェーン・バナーを現地に派遣した。
自然の過酷さを甘く見ていたバナーは、捜査に難渋することとなった。
そこで、バナーはランバートに捜査への協力を依頼した。
2人は荒れ狂う自然と剥き出しの暴力に直面しながらも、ネイティブ・アメリカンの村社会の闇を暴き出していく。
テイラー・シェリダンは、社会の闇をテーマにした骨太の作品が多いようです。
左利きジェレミーのスナイプ(狙撃)シーンが見もの(ややネタバレ)
ジェレミーは野生動物のハンターなのですが、凄腕の狙撃手です。
左利きのスナイパーって、とても新鮮ですので、一見の価値があると思います。
この最後の銃撃戦が、もっとも緊迫した必見シーンになっています。
自分もその場で、一触即発の危険にさらされているような臨場感を味わえるでしょう。
「人間の本能をむきだしにした作品」との評価がありますが、人間というより、男の本能ですね。
仕事の同僚の恋人を、同僚の目の前で、集団レイプするのですから、見ているのが辛いです。
ここだけは後味が悪いですね。
ジェレミーは非情の男
そういう悪党を、ジェレミーは、決して許しません。
最後、犯人の男が命乞いをしても、容赦なく、雪山に置き去りにします。
娘を殺された親の悲しみを思うと、本当につらい映画です。
残された放蕩息子が改心したのがせめてもの救いでした。
ミッション・インポッシブルでブラント役を演じたジェレミーの名演が光ります!
そして、冒頭の羊とピューマのシーンが、実は作品全体を象徴しているようです。