こんにちは、年間100本超えの映画好き、かんらくです。
映画史に輝く不朽の名作といわれる「2001年宇宙の旅 (字幕版)」を、Amazonプライムで鑑賞しました。
名作と言われるものの、観ても意味が分からないと感じる人も少なくないんですよね。この映画。
予備知識なしで見ても、まず早い段階で挫折する可能性が高いです。
突然、謎の長方形の物体「モノリス」が地面に突き刺さっているあたりで、お手上げになると思います。
宇宙の話のはずなのに、なぜ猿人猿が出てくるのか、この黒い物体をだれが設置したのかも分からないんです。
ここまでナレーションもセリフもありませんから。
そもそもこれが地球なのか、別の猿の惑星の話なのか、現代なのか、古代のシーンなのかもよく分からなくなってきます(実際には人類が進化する前の地球)。
あまりに何の説明もない不親切さに腹が立ってくるか、読解力がないのかと無駄に自信を失うかのどちらかです。
無意味なストレスを感じることのないように、予備知識を持って、見始めることをおすすめします。
目次
ストーリー(あらすじ)は?
まずは、そもそもどんな物語なのか。
いつもならキネマ旬報のあらすじを引用するところなのですが、これが収集つかないくらい長くなっているんですよ。
しかも読んでもよく分からない・・・。
分からないのでストレスにしかなりません。
言葉にしにくい作品
それくらい、言葉にしにくい作品なのです。
しかし! いいサイトを見つけました!
こちらです。
このサイトのブロガーは、映画を見て、原作の小説(決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF))も読み、もう一度映画を見て、ポップなイラストを交えながら、ストーリーを紹介してくれています。
これ、本当によく分かります。
謎解きまではしていませんが、映画の全体像は一気に見えてきますよ。
動物の骨が宇宙船に変わるシーンの意味
では、ストーリーがつかめたという前提で、冒頭の有名なシーンの謎解きをしたいと思います。
人類の祖先であるヒトザルが動物の骨を空高く投げると、それがそのまま宇宙船になるというシーンです。
この描写に込められたメタファーを読み解いてみました。
一体、キューブリック監督は何を言わんとしているのか。
動物の白骨が宇宙船に変身
地球外生命体が設置していったモノリス(スーパーコンピューターのようなもの)に触れたことで、知恵を授けられたヒトザルは、動物の骨が道具になることに気づきます。
はじめは、食糧となる動物を狩るために使用していたのですが、やがて同族の縄張り争いの武器に使うようになりました。
その中の一匹が、骨を天高く放り投げると、それがそのままグングン上昇して、宇宙船に変貌を遂げました。
初めて観た時、
「は? 何コレ? なんで骨が宇宙船に変身したの?」
と狐につままれたような気持ちになりました。
でも、この場面には、脚本のクラーク氏と、スタンリー・キューブリック監督の深い深いメッセージが込められているのです。
人類は本当に進歩したのか?
この場面、脚本を読むと分かるのですが、宇宙船はただの宇宙船ではなく、核弾頭が搭載された軍事衛星なのです。
つまり、
「人類は長足の進歩を遂げたと言われるけれど、結局、生き物を殺す武器を進化させただけじゃないか」
という人類に対する痛烈で、アイロニックな一撃だったのです。
こちらの記事に脚本の原文が掲載されています。
確認したい方は、ご覧ください。
光の中を進むシーンの意味(ここからネタバレあり)
さて、次に、木星に近づいたデイブ・ボウマンが光の帯の中を通過するシーンについて考察を述べたいと思います。
5/18放送のやりすぎ都市伝説を見ていたら、Mr.都市伝説・関氏の話が「2001年宇宙の旅」そのものだと気づいたのです。
放送内容はこちらのサイトに要約されています。
あくまで都市伝説ですから、これが事実かどうかという話ではなく、「2001年宇宙の旅」で描かれていた意味不明な描写は、こういうことだったのではないかという話です。
関氏の話
関氏の話を要約すると次のようなものでした。
2013年から地球はフォトンベルトという光の粒子が集まった光の輪の中を通過している。
太陽系は、実は1万数千年に1度の周期で、このフォトンベルトを2000年かけて通過するというのです。
トルコの古代遺跡、ギョベクリ・テペ
ですから、前回、地球がこのフォトンベルトを通過したのは、1万数千年前ということなのですが、トルコで発掘されたギョベクリ・テペという遺跡がまさに1万2千年以上前のものであることが判明しているんだそうです。
しかもそれは四大文明が栄えるより、はるか以前なのですが、かなり高度の文明であったことが、遺跡から明らかになっています。
誰が人類に智恵を授けたのか
一体そんな昔にどうして高度の文明が存在し得たのか。
関氏は、その当時の人類は宇宙人から高度な智恵を与えられ、さらにフォトンベルトを通過することによって、新たな人類へと進化し、その後、地球上からは痕跡を消した、という説を語っていました。
宇宙から飛来した生命体に智恵を与えられ、文明を急速に進化させたって、まさに「2001年宇宙の旅」のストーリーやん、と思ったのです。
さらに「2001年宇宙の旅」では、木星に接近した宇宙飛行士、ボウマンが、光の中を長時間通過するシーンがあります。
セリフもナレーションも一切ないまま、こんなシーンが何と10分近くも続くんです。
これはまさにフォトンベルトの通過を表しているのではないでしょうか。
さらに映画では、光の中を通過したボウマンが、最終的にスターチャイルドという新たな人類に生まれ変わって地球に戻るところで終了します。
とても難解なのですが、関氏の話に当てはめて考えると、映画の意図が分かる気がしました。
もう一度、関氏の話
もう一度関氏の話を整理すると、
1万3、4000年前に宇宙から飛来した生命体が、人類の祖先に智恵を授け、フォトンベルトの通過と重なって文明を急速に進歩させた。
そして今、人類は2013年から突入しているフォトンベルトの通過に伴って、飛躍的に進化した新人類に生まれ変わろうとしている
と、こういう説でした。
実際に、近年、三重らせん構造のDNA(通常は二重らせん)を持った子供(新人類)が現れ始めていて、その知能を調査されているという事実も紹介されていました。
「2001年宇宙の旅」は、このあたりの説を、ドラマチックに映画化したのだと考えると、難解だったストーリーもコトッと腑に落ちる気がしました。
すべての謎を町山智浩氏が完全解明
その他にも謎はたくさんあるのですが、後日、有名な映画解説者の町山智浩氏の映画塾をYou Tubeで見たら、2001年宇宙の旅の謎が、あますところなく全解明されていました。
キューブリック監督のインタビュー、一般人が知らない製作秘話や、背景となっている科学的理論など、全て知った上で説明されています。
ですから解釈の一つではなく、完全に解答でした。
主な謎解き
印象的なところを、ピックアップします。
光の中を通過するシーン・・・知的生命体によって、ボーマンは亜空間にワープさせられ、宇宙と地球の誕生の場面を見せられている。
白い部屋・・・知的生命体が、木星までやってきたボーマンをもてなすため、彼の記憶の中から引き出して作った高級ホテルの部屋。
その他も、AIのハルが暴走した理由やスターチャイルドの意味など、「ああ、そういうことだったのね」と、よくも悪くもハッキリしてしまいました。
ちなみにスターチャイルドはニーチェの「超人」の思想がベースになっています。
人類が超人へ進化する前に一度、赤ん坊に生まれ変わるとニーチェは主張しているそうです。
だから、映画の挿入音楽が、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」になっているのです。
そういうことか、と思いました。
町山氏は、この映画を一番ややこしくしているのは、テーマがエイリアンなのに、エイリアンが一度も出てこないところだと明言していました。
エイリアンの存在が確認できる唯一のシーン
いえ、一箇所だけエイリアンの存在が確認できるシーンがあります。
それは、白い部屋の中で、エイリアンの笑い声だけが一瞬聞こえるシーンです。
なぜ声だけで、エイリアンの姿が一度も出てこないのか。
それは、そもそも姿を持っていないからなんです。
は? どういうこと?と思いますよね。
すべての謎は、下記の動画で解明されます。
(エイリアンが姿を持っていない理由については、「後編」の23:30頃から解説あり。スターチャイルドの解説は、同じく後編の35分くらいからです)
●前編(予習編)(約30分)
●後編(復習編)(約60分)
忙しくて、全部見ている時間がないという方のために、内容を要約しましたので、文字で読みたい方はこちらをご覧ください。
しっかりと制作意図が分かれば、満足度は★★★★です。
無料で今すぐ鑑賞する方法
なにはともあれ、映画史に残る不朽の名作をまだご覧になっていない方は、ぜひ一度、最後まで見ていただきたいと思います。
冒頭が分かれば、かなり入りやすくなると思います。
今なら、動画配信サービスのAmazonプライムとdTVで無料で鑑賞できます。
無料というのは、1ヶ月お試し期間があるからです。
1ヶ月以内に解約すれば、本当に無料なので、オススメですよ。