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出版社勤務のかんらく(@kan_raku44)です。

「もっと頭を使え!」「よく考えてから動け」

こんなこと、仕事でよく言われませんか?

私は学生時代、什器搬入のアルバイトで、社員のお兄さんからよく言われました。

肉体労働でも考える力が仕事の成果、効率化に極めて大事ですから、デスクワークには、なお不可欠でしょう。

たしかにそれはそうだろうけど、実際に何を考えればいいか分からないと、途方にくれることはないでしょうか。

私もそうでした。

 

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

そんな私に考える道筋と枠組みを示し、考える力を鍛える方法を教えてくれたのが、この本です。

森岡毅さんの『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』。

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2017」で、見事1位(マネジメント部門)を獲得した良書です。

 

 

USJの業績をV字回復させたカリスマ・マーケッターです。

現在は退社されていますが、ドン底のUSJの集客を数年で倍増させ、業界のガリバーである東京ディズニーリゾートの背中が見えるところまで再建した凄腕です。

この本に出会ってからは、仕事で成果を出すために、何をどう考えればいいのか、という出口のない悩みから解放されました。

「戦略的に考える」ことを学び、常に考える順番がハッキリしたからです。

 

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「仕事の成果が抜群に上がる」戦略的思考

繰り返しますが、ここでいう「考える力」とは、「戦略的に考える力」のことです。これが、仕事の成果が抜群に上がる最短最速の道だからです。

森岡さんの言葉を紹介しましょう。

戦略的思考を身につけると素晴らしく良いことが起こります。あらゆる仕事にそのメリットは当てはまります。

戦略的思考を身につけておくと、あなたのキャリアは大きく好転していくでしょう。

戦略的思考によって2つの大きな変化が起こります。

1つ目の変化は、仕事の成果が抜群に上がることです。戦略性を身につけることで、大事なことのためにより集中して取り組めるようになります。

「選ぶ」ということを覚えるので時間の使い方が成果に直結するようになっていきます。

2つ目は説得力が激増することです。戦略性を身につけることで、他の人に対して、「なるほど!」という納得感をもたせる話し方ができるようになります。

上司や部下や同僚に対して、あなたの意見がより伝わりやすくなり、あなたのやりたいことが世の中に出せる確率がグンと上がるのです。

会社という組織においては、1人だけで達成できることなんてほとんどありません。しかし「進むべき正しい方向を見定めること」と「人を動かす」ということは、1人でもできます。

戦略的思考を身につけることで、あなたが起点になって周囲を勝利へ向かって動かすことができるようになるのです。

戦略的思考を身につければ、仕事が劇的に変わることが分かりますね。

 

戦略的思考とは?考える順番が超重要

では、戦略的思考とは、具体的にどういうことでしょうか。

再び、森岡さんの言葉を借りてみます。

重要なことは、「目的→戦略→戦術」の順番で考えることです。

そのほうが効率が良いからです。

最初に目的を明確にすることが何よりも重要。

戦略は目的達成のために存在するので、目的が変われば全ての戦略は(戦術も当然)やりなおしになります。

戦略的に考えられるということは、「目的→戦略→戦術」の順番で、大きいところから考えられるようになるということです。

決して具体的で発想しやすい戦術から考えないということです。

目的と戦略が定まらない限り、戦術に費やす時間は無駄になる可能性をはらんでいるのです。

(『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』)

 

この考える順番を常に守るのが肝なのです。

 

目的地をまず初めに明確にする

身近な例で言えば、どこか行きたいところがある時、目的地がどこにあるかを明確にすることが一番大事ですよね。

例えば、東京ディズニーリゾートを目的地とすると、その方角を間違えれば、歩けば歩くだけ、走れば走るだけ、苦労はまるごと無駄になり、それどころか目的地からかえって遠ざかってしまいます。

千葉県の浦安市というディズニーリゾートの所在地がハッキリして、初めて、歩いて行くか、車がいいか、それとも電車がいいか、飛行機がいいかという手段を論じることができるのです。

考える力をつけるには、まず、この「目的は何か」「たどり着きたいゴールはどこか」をハッキリさせることが一番大事なのです。

当たり前のようで、実は意外とできている人は少ないんです。

ですから、この発想が身につくと、周りから抜きんでて、成果を出すことができます。

 

目的から考える習慣が身につくと無駄な苦労が激減

私も、仕事で何から手をつけていいか分からなくなった時、面倒な案件にぶつかった時、「目的は何か」を自分に問いかけています。

すると、うそみたいに問題が解決することがあるんです。

複雑に絡み合ったチエノワを一瞬でときほぐすマジックワードと言ってもいいくらいです。

「どうやって進めようかと悩んでいたけど、そもそもこの作業はやらなくていいじゃん」ということもしばしばです。

 

実は、課題をすべてクリアする必要はない。

上司から与えられた課題が目の前に山積すると、まじめな人ほど、その課題をすべてこなさなければならない気がしてしまうものです。

特に日本人はそういう傾向があります。

いつの間にか、課題をすべてクリアすることが目的になってしまいがちです。

そんな時、「この仕事の目的は何?」と自分に問うと、本当にやるべきことは劇的に絞られるものです。

 

ノドの渇きをいやすのに川の水を飲み干す必要はない

こんな話があります。

ノドが渇いて水を探していた愚かな男が、清流の豊かな川を発見しながら一向に飲もうとしない。

「なぜ飲まぬのか」
と尋ねると、
「飲みたいのはやまやまだが水量が多すぎて、とても飲み干すことはできないので、困っているのだ」
と言ったので、みんな大笑いしたという。

(『光に向かって心地よい果実』)

ノドの渇きを癒やすという目的を果たすのに、川の水を飲み干す必要はないのです。コップ一杯の水があれば解決します。

同じように、目的が何かを考えれば、やるべき仕事は絞られます。

自動的に本当にやるべきことと、やらなくてもいい課題と、上司の手前、やったふりをすればいい課題(笑)に振り分けられるのです。

それどころか、場合によっては、目的達成と無関係であると判明し、積み上がった課題の、一つもやらなくていいと気がつくことさえ、なくはないのです。

面倒なことが嫌いな人には、耳寄りのスキルといえるでしょう。

他人に対しても有効なキラーワード

また、このキラーワードは、自分に問うだけでなく、迷走している会議や話し合いの中で、「そもそも、そのプロジェクトの目的は何ですか?」と問うなど、相手に対して使っても、効果的です。

話し合いの根本解決に導くことさえあるでしょう。

 

最後におすすめ 考える力をつけるには、やっぱりこの本

大枠でいえば、この戦略的思考を、マーケティング思考ともいわれます。

マーケティングに関する本は多数ありますが、森岡さんの本がそれらと決定的に違うのは、机上の理論の参考書ではなく、会社が生きるか死ぬかの瀬戸際で、森岡さんが、実地にそのマーケティング思考(戦略的思考)を駆使して、USJの業績を奇跡的にV字回復へ導いた過程を、実践的に学ぶことができる点です。

いわば切れば血の出る生きたハウツー本なのです。

だから、まるで上質のノンフィクション小説を読んでいるようにぐいぐい引き込まれます。

面白いから自然と繰り返し読んで身につくのです。私は5回読みました。こんなに再読したビジネス書はありません。

ここでは、目的を明確にする大切さに焦点を絞りましたが、その目的を達成するための戦略、戦術についても、森岡さんの本には、あますところなく解説されています。

目的を恋人獲得や受験勉強などに設定すれば、ビジネスだけでなく、日常生活やプライベートにもそのまま応用できますので、ぜひ読んでみてください。

 

おまけ

この本には、戦略的思考を身につけるほかに、もう1つ「消費者目線(消費者理解)」という、小売業やサービス業にとって、仕事の成果を爆発的に高める起爆剤のような重要な学びが得られます。

そのことにも関心のある方は、こちらの記事もご参照ください。

売れる広告が作れる! 消費者心理学が1冊で学べるおすすめ本

 

さらに徹底的に身につけたい人のために

また、森岡さんの著書は他にもありますが、以下の2冊は、どちらも超絶おすすめです。

確率思考の戦略論

 

森岡さんが具体的にどのように数学を駆使して、マーケティングしているか、具体的な方程式が、惜しげもなく、公開されています。文系人間には、少々手に余るかもしれません。

理系向きですが、方程式の部分は読み飛ばしてもいいと書かれているように、文章だけを読んでも、学びは間違いなくあります。

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

 

P&Gの森岡さんが、ヘッドハンティングされるところから、USJがV字回復するところまで、リアルに、ドラマチックに書かれています。

ビジネス書というより、ノンフィクション小説か、ルポタージュを読んでいるようです。グイグイ引き込まれ、一気に読んでしまいます。文系の人向きと言えるかもしれません。

基本的なメッセージは、『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』に共通していますが、特にアイデア発想法に力点が置かれています。

元社長のグレン・ガンペル氏からヘッドハンティングされた時のやりとりや、モンハンのカプコン社長に提携を申し出る時の経緯は、特に印象的です。

ぜひ、3冊のうち、どれでも好みに合うものを繰り返し読んでみてください。考える力を養う比類なき実践書として、自信をもっておすすめします。

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