こんにちは、出版社勤務のかんらくです。
アートディレクターの佐藤可士和氏の『佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)』を再読したので、その学びをシェアします。
そもそも超整理術とは何の整理か
まず超整理術とは、何を整理するのかというと、空間、情報、思考の3つに分類されます。
この3つを整理することが、いい仕事につながると可士和氏は主張します。
心に残ったフレーズを抜粋
では、心に残ったフレーズを抜粋していきたいと思います。
「モノを絞って、すっきりと気持ちのいい環境のなかで、効率的に仕事をしたい」
整理がきちんとできれば、自分が把握していないものがいっさいない、クリアな状態になる。そうすれば仕事の効率も上がるし、リスク回避にもなるのです。
これはまさに私の理想を見事に言葉にしてくれているフレーズです。
「自分が把握していないものがいっさいない」、こういう環境で仕事をし、暮らすことが昔からの夢でした。
佐藤氏はそれを実現し、継続しています。
佐藤可士和の仕事の本質
佐藤可士和の仕事の流儀、真髄はこれだと思っています。
つまり、僕が勝手なイメージを作り上げるのではなく、クライアントから問診のごとくヒアリングを重ね、相手の抱える課題や伝えたいことをきちんと整理することで、表現すべきかたちが必然的に見えてきたのです。ですから、〝ドクターのように診療する〟というたとえがぴったりくるのです。
佐藤可士和の仕事の真髄は、新しいものを作り出すのではなく、徹底した問診によって顧客の中から本質的な答えを引き出すことです。
その実践的な例として、キリンの「極生」や、ホンダの「ステップワゴン」、新国立美術館のプロデュースなど、次々と見覚え聞き覚えのある仕事が紹介されています。
アートディレクター=ドクター
徹底した問診が可士和氏の仕事の流儀であることは、繰り返し語られています。
繰り返しますが、決して僕のなかのインスピレーションをかたちにするわけではありません。アートディレクションというと、クライアントの持ち味に関係なく、虚飾のイメージを作り上げるのでは、と思われることもよくありますが、そうではないのです。
クライアントと綿密にコミュニケーションを重ねることで、答えが見つかる。
たとえるならまさに、僕がドクターでクライアントが患者。漠然と問題を抱えつつも、どうしたらいいのかわからなくて訪れるクライアントを問診して、症状の原因と回復に向けての方向性を探り出す。
問題点を明確にするのと同時に、磨き上げるべきポテンシャルをすくい上げるのです。
徹底した消費者理解
可士和氏は、クライアントをいわば診察しているといいます。
それは顧客を深く理解しようとしているといえるでしょう。
表面的な理解ではなく、クライアントも自覚していないレベルの望みや理想を理解するまで、徹底して問診するのです。
そこに、可士和氏の仕事の真骨頂があると思います。
ほとんどの場合は、ほどほどのところで、問診をやめてしまうのです。
可士和氏は、そこが傑出していて、クライアントの中の鉱脈を掘り当てるまで、妥協することなく掘り下げていくのです。
消費者理解というテーマに関心のある方は、下記の記事も参考にしてみてください。
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